ヒューストンと聞けば NASA が思い浮かぶほど有名な「ヒューストン宇宙センター(Space Center Houston)」。その見どころや、訪問する前に知っておきたいポイントをまとめました。
- ヒューストン宇宙センターとは?
- ヒューストン宇宙センターの入場料
- 行く前に知っておきたいこと
- ヒューストンでしか見られない「NASAトラムツアー」
- ヒューストン宇宙センターの見どころ
- 季節限定イベントをチェック
- まとめ
ヒューストン宇宙センターとは?
「ヒューストン宇宙センター(Space Center Houston)」は、アメリカのテキサス州ヒューストンにあります。アメリカ航空宇宙局(NASA)が有人宇宙飛行の訓練や研究を行う重要な拠点のひとつ「ジョンソン宇宙センター(Lyndon B. Johnson Space Center)」の公式ビジターセンターです。ヒューストン市中心部から車で約30分ほど南東の郊外へ出た場所にあります。
ヒューストン宇宙センターの入場料
入場料は以下の通り。一般的なツアーや見学料は全てこの入場料に含まれます。駐車料金は5ドルです。また追加料金にて、宇宙飛行士と朝食を食べられるなどの特別チケットがあります。最新情報はこちらの公式ホームページをご覧ください。
- 大人 $29.95
- シニア(65歳以上) $27.95
- 子ども(4~11歳) $24.95
- 0~3歳まで無料
- 駐車料金 $5.0
ヒューストンにて、水族館や動物園など宇宙センター以外の観光もする場合、「シティーパス」の方が安くなる場合があるので、チェックしてみてください。
行く前に知っておきたいこと
ヒューストン宇宙センターを訪れる前に知っておくとよいポイントを以下にまとめました。各詳細については追って紹介していきます。
- チケットは事前にネット購入可
- 飲み物のみ持ち込みOK(食べ物不可、荷物チェックあり)
- 無料アプリを事前にダウンロードしておくと見学がスムーズ
- 最大の見どころ「トラムツアー」は中止の日もある
じっくり見る場合、朝から1日居ても時間が足りないほど。移動も多いので、歩き慣れた靴や身軽な服装だと楽に回れると思います。
ヒューストンでしか見られない「NASAトラムツアー」
ヒューストン宇宙センター最大の見どころと言っても過言ではないのがここにしかない「NASAトラムツアー」です。有人宇宙飛行の訓練や、国際宇宙ステーション(ISS)との連絡等を担う管制室がある「ジョンソン宇宙センター」に隣接した公式ビジターセンターだからこそ、楽しめるツアーがあります。そのツアーは3種類。
- レッドツアー ロケットパーク見学のみ
- ブルーツアー 宇宙飛行士訓練施設&ロケットパーク見学(45-60分)
- ホワイトツアー ミッションコントロールセンター見学(60分)
「レッドツアー」では、ロケットパークでアポロ計画などで使用されたロケット「サターンV」などを間近で見ることができます。
「ブルーツアー」では、実際に宇宙飛行士が訓練に使用する施設を見学通路から見ることができます。その後ロケットパークへ向かいます。
「ホワイトツアー」では、現在の有人宇宙飛行にも携わる実際の管制室「Christopher C. Kraft Mission Control Center」と、かつてアポロ計画や人間の月面着陸も見守った管制室を再現した「Apollo Mission Control Room」が見学できます。ツアー内容の詳細は公式ページをご覧ください。
NASAトラムツアーの出発場所は、入場口から右手奥へ進んだこちらのゲート。開放的なトラムに乗って、ガイドさんの説明を聞きながら、ヒューストン宇宙センターおよびジョンソン宇宙センターを進んで行きます。またツアーの最終出発時間が午後3時なので、複数のツアーに参加したい場合は、そこも計算すると良いと思います。
予告なしでツアーが中止になることも
最大の見どころ「NASAトラムツアー」を楽しみにしていた筆者ですが、なんと訪問したその日は目玉であるブルーとホワイトの2種類がお休み。(おそらく普段はブルー&ホワイトを実施し、それが出来ない日はレッドのみ開催。)
職員さんに話を伺ってみると、ツアー実施有無は、毎朝ジョンソン宇宙センター側に問い合わせて決定しているとのこと。つまり機密上の問題など、ジョンソン宇宙センターに見学者が入れない事情がある場合、予告なくツアーは中止されます。(中止はレアケースとは言ってました。ツアーが無い日があるなんて思ってもいませんでした。)
ツアー参加には事前予約が必要
これらのトラムツアー、料金は入場料に込みですが、参加するには予約が必要です。宇宙センター内のゲストサービスデスクか、無料アプリを使って予約することが出来ます。(行った日はツアーが1種類だったため、予約無しでロケットパークまでピストン輸送していました。)
ヒューストン宇宙センターの見どころ
ここからは、ヒューストン宇宙センターの見どころや、便利情報について実際の写真と共に紹介します。最大の魅力「NASAトラムツアー」の2種類は今回参加することが出来なかったので、行けたロケットパークについてのみ紹介します。(いつか再訪して各ツアーについて追記します。)
まず施設マップがこちら。丸いホールを囲むように各種展示が並びます。そしてトラムツアーの出発場所と、スペースシャトルやロケットの展示が屋外にあります。(写真のURLから無料アプリのダウンロード画面へ進めます。)展示の詳細はこちらの公式ページにあります。
展示の顔「インディペンデンス・プラザ」
ヒューストン宇宙センターに入る前からどーんと出迎えてくれる、展示の顔とも言えるのが「インディペンデンス・プラザ(Independence Plaza)」。飛行機にスペースシャトルが乗っています。
上に乗っているのははスペースシャトル「インディペンデンス号」のレプリカ。中に入り、操舵室などを見学することが出来ます。
こちらの飛行機は「シャトルキャリア航空機NASA905」。かつて実際にスペースシャトルを運んだ機体の中を見学することが出来ます。
このNASA905は、スペースシャトルを運ぶために様々な工夫が施され、実際に223回スペースシャトルを運び、42年もの間飛び続けました。その技術などについても内部展示で知ることが出来ます。
「ロケットパーク」の巨大なサターンV
NASAトラムツアーのレッド&ブルーで行けるのが「ロケットパーク」。ツアーでロケットパークに着くと、まず目につくのは屋外に置かれたロケットやエンジンたち。
しかし目玉は、建屋内に保管されているロケット「サターンV(Saturn V)」。かつてアポロ計画などに使用された巨大ロケットです。
サターンVは、フロリダの「ケネディ宇宙センター」、アラバマの「U.S. スペース&ロケットセンター」と合わせて3機が博物館にありますが、実際に飛行予定だったのはこのヒューストンのもののみ。多段式ロケットの全段を間近で見ることが出来ます。
そしてロケットの横には、各アポロ計画のロゴや写真付きの解説がズラリと並び、その歴史を感じることが出来ます。
「ミッションマーズ」で最新の火星情報を学ぶ
最近の宇宙探索で話題にのぼるのが「火星(Mars)」。その火星の地上を模したブース「Mission Mars」では、夕日が沈む演出と共に火星に関する展示が集まります。
人間が火星へ移動し、住むために必要な技術とは。地球の100分の1の大気、重力は半分以下になる火星の環境とは。そして実物の火星の石に触れられる展示もあります。
「スターシップギャラリー」で月面着陸を知る
宙に浮かぶロケットと宇宙飛行士が出迎えてくれる「Starship Gallery」。NASAの有人宇宙飛行計画「ジェミニ計画(Project Gemini)」では、アメリカで初めて人の船外活動(宇宙遊泳)が行われました。
こちらはアポロ計画で最後に有人月面着陸を行ったアポロ17号の司令船です。この1972年以降まだ誰も人類は月に立っていません。
アポロ計画で月面調査をしていた様子がリアルに展示されています。また実物の月の石に触れられるブースなど展示物も豊富で見どころ満載です。
「ISSギャラリー」で宇宙の日常生活を知る
こちら「国際宇宙ステーション(ISS)ギャラリー」では、ISSで生活する宇宙飛行士のリアルな日常を知ることが出来ます。ISSは、2024年までの使用予定を、2030年まで延長する意向が発表されたことでも最近話題になりました。
こちらの「Living in Space」プレゼンテーションでは、ガイドさんがプロジェクションマッピングを使用しながら実際の宇宙ステーションでの生活ぶりをプレゼンしてくれます。1日に約5回(毎時30分)、1回20分ほどの楽しいプレゼンです。(スケジュールは変わる可能性があるので、公式ページかアプリを確認してください。)
「宇宙飛行士ギャラリー」で遊ぶ
こちらの「Astronaut Gallery(宇宙飛行士ギャラリー)」には、これまで実際に使用されてきた様々な宇宙服や、宇宙飛行士の写真が展示されています。
こちらは季節展示スペースでもあり、私が訪れた時期は、宇宙飛行士として宇宙で仕事をするためのクイズやシミュレーションゲームが出来る、大人も子どもも楽しめる特別ブースになっていました。
「SpaceX Falcon9」 最近宇宙に行ったロケット
アメリカの民間企業「スペースX」が打ち上げたロケット「ファルコン9(Falcon9)」が展示されています。民間企業が手掛けた再利用可能なロケットとして注目されたファルコン9。2017年に宇宙へ行って帰ってきた旅の跡を間近に見ることが出来ます。展示されているファルコン9は世界で2つのみで、その1つがここにあります。
シアターやイベントが盛り沢山
「スペースセンターシアター(Space Center Theater)」では、4Kシアターで宇宙に関する作品を楽しむことが出来ます。上映時間や内容を事前にチェックして、滞在中の計画に組み込んでみると良いと思います。また、「ディスティニーシアター(Destiny Theater)」では、1日中15分ごとに宇宙探査にまつわる映像が流されています。
「BOOM」は、ロケットの打ち上げに必要な爆発力を、目の前で「燃焼実験」として見せてくれるプレゼンです。一日に約5回(毎時)、1回約20分ほどのプレゼンです。(スケジュールは変わる可能性があるので、公式ページやアプリを確認してください。)
お土産屋とフードコート
施設内には大きなフードコートがあるので、ランチや休憩も出来ます。
またお土産ショップも広く、品ぞろえが豊富です。デザインの種類も多様だったので、きっとお気に入りのグッズが見つかると思います。
季節限定イベントをチェック
ヒューストン宇宙センターには、季節や日によって様々な特別イベントが開催されています。季節限定の展示として、2月からは科学技術の進化を体験できる「POPnology」、10月の週末にはハロウィンイベント「Galaxy Frights」、そして11月からはイルミネーション展示「Galaxy Lights」が楽しめます。(イベント開催や日程は公式ページで最新情報を確認してください。)
冬限定のイルミネーション「Galaxy Lights」
冬限定のイルミネーションイベント「Galaxy Lights」に参加してみました。昼間とは違った雰囲気を楽しめます。こちら夜のイベントなので、一度閉園したあとのヒューストン宇宙センターに午後6時以降に入場します。(別途料金必要です。)
夜、薄暗くなった広場の中心では、音楽に合わせて吊り下げられたライトが一斉に動くショーが行われています。この日はゆっくり床に寝転がって、迫力あるショーを楽しむ人がたくさん。
屋外も至る所に、昼間は見られなかったイルミネーションアートが浮かび上がります。宇宙飛行士から宇宙ステーションまで、ここでしか見られない作品が並びます。
ロケット「ファルコン9」の周辺はインターナショナルがテーマ。日本の宇宙航空研究開発機構 JAXA もクリスマスツリーに描かれていました。
フードコートは閉まっていますが、屋外には屋台が出現。子ども達は焚火で焼きマシュマロを楽しんでいました。
昼とは違った雰囲気をまとう「夜の博物館」は、大人も子どももワクワクできます。昼間より人も少ないので、混雑しすぎてじっくり見られなかった展示を見直すことも出来ました。
まとめ
ヒューストン宇宙センター(Space Center Houston)は、テキサス州ヒューストンにある、貴重で面白い展示が満載の場所です。特に実際にNASAが稼働している隣の「ジョンソン宇宙センター」を見学できるツアーが見どころです。じっくり楽しむ場合、朝から1日居ても時間が足りないほどの充実した施設です。ぜひ訪ねる際には、事前にポイントを押さえて、楽しい当日を過ごせますように。
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