哺乳瓶の種類は豊富で、どれを使ったらよいか迷う場合もあると思います。そこで試供品などでもらったアメリカの複数の哺乳瓶の比較を紹介します。また日本では定番の哺乳瓶「ピジョン(Pigeon)」が、アメリカの哺乳瓶「ランシノー(Lansinoh)」と互換性があるということで、その比較も紹介します。
アメリカ哺乳瓶4種比較
アメリカでは、妊娠した際、ベビーレジストリーを登録することで無料で赤ちゃんグッズが貰えるサービスがあります。ベビーレジストリーの詳細は下記の別記事で紹介しています。今回は、試供品としてもらった3種類の哺乳瓶と、後から購入した1種類、合計4種類の哺乳瓶を比較します。
今回比較するのは、試供品でもらえる「Dr. Brown's」、「PHILIPS」2種類と、筆者が購入した「Lansinoh」の4種類です。各社、ここで紹介した以外の種類の哺乳瓶もあります。
まず、哺乳瓶の説明によく登場する「Colic(コリック)」とは、仙痛や黄昏泣きと呼ばれ、はっきりした原因もないのに赤ちゃんが1日に3時間かそれ以上、または1週間に3日かそれ以上、激しく大声で泣き続ける状態のことを言います。(参考リンク)原因のひとつとして考えられているのが「お腹にガスが溜まっている状態」なので、ミルクを飲む時に同時に空気を飲み込みにくい構造(Anti Colic)を採用している哺乳瓶がたくさんあります。
まず1つ目の哺乳瓶は、「Dr. Brown's」の「Natural Flow® Anti-Colic Options+™ Narrow Baby Bottle」です。新生児用なので、4 oz(120 ml)の小さなサイズです。
特徴
・ボトルが細身で持ちやすい
・プラスチックボトル
・コリック防止構造(Anti Colic)
・パーツが多い → 洗うのが面倒
・コリックの時期が過ぎたら、細かいパーツ無しでも使える
・乳首が細長い(飲みやすいけど本物の乳首の形と全然違う気がする)
・アメリカで小児科医推奨No.1になったことがある
他の哺乳瓶と比べると、圧倒的にパーツが多いので、一日に何回も洗うのがだんだん面倒になります。メーカーの説明では「おっぱいのような乳首の形」となっていますが、細長すぎると個人的には感じます。ただし、特に新生児などまだ口が小さい赤ちゃんにとっては、とても飲みやすそうでした。
また、この「Dr. Brown's(ドクターブラウンズ)」の乳首の形は、出産後に病院で赤ちゃんに与えられる液体ミルクの使い捨て乳首(Similac、Enfamilどちらも)に形が似ているので、そちらに慣れている場合は、この哺乳瓶にもすんなり慣れれそうです。
2つ目の哺乳瓶は、「Philips Avent」の「Anti-colic bottle with AirFree vent」です。これは新生児用なので、4 oz(125 ml)の小さなサイズです。
特徴
・コリック防止構造
・プラスチックボトル
・エアフリーベント(AirFree vent)というパーツで乳首から空気を逃がす
・エアフリーベント(AirFree vent)の向きに注意して授乳する必要がある
授乳中に乳首内から空気が逃げるようにエアフリーベントというパーツが付いています。(写真は公式サイトからお借りしました。)これは向きが決まっているので、授乳する時に哺乳瓶の向きを気にしないといけないのが面倒です。特に夜間、薄暗い中で哺乳瓶の向きを確認するのが面倒です。
3つ目の哺乳瓶は、「Philips Avent」の「Natural Response Baby Bottle」です。
これは新生児用なので、4 oz(125 ml)の小さなサイズです。
特徴
・コリック防止構造
・プラスチックボトル
・赤ちゃんがしっかり吸った時だけミルクが出るナチュラルレスポンス設計
・おっぱいに近い形の設計
赤ちゃんがしっかり吸った時にミルクが出て、呼吸している間は止まるような設計になっています。吸わずともミルクが出続けるということが無いので、母乳を吸う練習にも良いようです。吸引力が無いとミルクが出ないので、我が家の赤ちゃんは、初期の頃はこのボトルでは上手に飲むことができませんでした。パーツが少ないのは嬉しいのですが、個人的には、蓋が固くて開けにくかったです。
4つ目の哺乳瓶は、筆者が購入した「Lansinoh」の「Breastfeeding Bottles 」です。新生児用のサイズでは足りなくなった頃に買い足したもので、サイズは8 oz(230 ml)です。
特徴
・コリック防止構造
・プラスチックボトル
・乳頭混乱を軽減するように設計された柔らかい乳首
・日本で人気のPigeon(ピジョン)の母乳実感哺乳びんと同じで互換性あり
・食洗器対応
乳首の形が自然なカーブを描いていて、赤ちゃんが乳頭混乱を起こしにくいような設計(Lansinoh® NaturalWave® nipples)になっています。母乳育児を進めたい人におすすめです。コリック防止のために乳首に空気穴が開いていますが、授乳時に向きを気にする必要がないのが良いです。
写真で比較
紹介した4種類の哺乳瓶を写真で簡単に比較してみます。まず、全てプラスチック製で、目盛りはオンス(oz)とミリリットル(ml)の両方が併記されています。ボトルの太さや長さは様々です。(ランシノーだけ1サイズ大きい哺乳瓶です。)
乳首だけを比較してみると、かなり形が異なることが分かります。ランシノー以外の3種類は比較的に乳首が細長くくびれています。乳輪にあたる部分も、大きさや形状が異なり、柔らかさもそれぞれ異なるので、飲みやすさや赤ちゃんの好みも分かれそうです。
Lansinoh(ランシノー)とPigeon(ピジョン)の互換性
ランシノーはピジョンの子会社
日本で哺乳瓶といえば「ピジョン(Pigeon)」と言えるほど圧倒的なシェアを誇っているピジョングループは、1957年に神奈川で創設されて、今では世界中に展開している企業です。そのピジョンが2004年に連結子会社として買収したのが、アメリカの「ランシノー(Lansinoh)」です。なので、日本やアジアでは「ピジョン」、北米やヨーロッパでは「ランシノー」として商品を展開しています。
もともとランシノーは、乳頭クリーム、授乳パッド、搾乳機、母乳保存袋が主な商品でしたが、ピジョンに買収された後、2014年から哺乳瓶の発売を開始しました。なので、デザインはランシノーですが、実際はピジョンの哺乳瓶と同じというような商品が展開されています。
ランシノーの商品は、アメリカのWalmartやTargetといった小売店で普通に販売されています。ただし、筆者の周辺では、お店で見つけられるのは、元々のランシノーの主力商品である授乳を助けるグッズばかりで、哺乳瓶や乳首をお店で見つけることはできませんでした。もちろん、店舗で見つけられなくても、公式オンラインサイトやAmazonで簡単に購入することができます。
ランシノーとピジョンの哺乳瓶と乳首
ランシノーの「Breastfeeding Bottles 」と、ピジョンの「母乳実感哺乳びん」は、形が同じなので、それぞれのキャップや乳首を入れ替えても装着することができます。
ただし、ランシノーの「Breastfeeding Bottles 」と、ピジョンの「母乳実感哺乳びん」では、商品展開が異なります。一番の違いは、ピジョンの方が乳首のサイズ展開が多いことです。
ボトルの素材
・ピジョン
→耐熱ガラス、プラスチックの2種類
・ランシノー
→プラスチックの1種類のみ
乳首のサイズ(吸い穴の形)
・ピジョン
→SS(丸穴)、S(丸穴)、M(Y字)、L(Y字)、LL(Y字)、3L(Y字)
※SS、LL、3Lは、ピジョンのみの取り扱い
・ランシノー
→Slow Flow(丸穴)、Medium Flow(Y字)、Fast Flow(Y字)
※ピジョンでいうところの、S、M、Lの3種類のみ
価格設定は、ランシノーの方が安めです。参考に価格の一部をまとめました。
・ピジョン
【乳首】SS(1個入り):¥902、 S以降(2個入り):¥1650
【哺乳瓶】母乳実感哺乳びんプラスチック240ml1個:¥2750
・ランシノー
【乳首】全て(2個入り):$4.99
【哺乳瓶】Breastfeeding Bottles 8oz(約ml)1個:$7.99
また、デザインの種類はピジョンの方が豊富です。画像は公式サイトからお借りしました。詳細は各公式サイト(ピジョン/ランシノー)をご覧ください。
ちなみに、アメリカのAmazon(Amazon.com)でも、ピジョン製品の取り扱いはあります。(Amazonから画像をお借りしました。)ピジョンの日本語版と英語版など色々ありますが、ランシノーの方が安いです。
また、アメリカにお住まいでも、近くに日本の製品を取り扱っているお店がある方は、そこでピジョンの製品を見つけることが出来るかもしれません。筆者の住むアトランタ郊外では、TESO Life(アメリカ内に15店舗ほど展開するアジア系商品を取り扱うお店)に、ピジョン製品の取り扱いがありました。(しかもAmazonより安い)
写真で比較
実際に、ピジョンの乳首(SS)と、ランシノーの乳首(S:Slow Flow)を比較してみます。サイズが違うので、乳首の太さとカーブの具合が、若干異なります。特徴的なのは、ピジョンの乳首には「ラッチオンライン」という、赤ちゃんが乳首を咥える位置の目安となる線が入っていることです。
見た目がそっくりなので、サイズなどが分からなくなってしまいそうですが、裏面を見れば、メーカー名とサイズが明記されているので、困ることはありません。
ピジョンの乳首を、ランシノーのキャップに取り付けてみましたが、全く問題ありません。授乳も問題なく出来ています。筆者は、ピジョンのボトルは持っていないのですが、「ピジョンのボトル×ランシノーの乳首」も問題無く使えそうです。
まとめ
アメリカにはたくさんの哺乳瓶がありますが、使い勝手や特徴は様々です。ベビーレジストリーで無料でもらえるボトルも多いので、それを試してから赤ちゃんに合いそうなものを購入することも出来ます。また、アメリカのLansinoh(ランシノー)と日本のPigeon(ピジョン)は同じ形の哺乳瓶を取り扱っているので、気になる方は試してみてください。
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